[コメント] アルゴ(2012/米)
子供たちが写真を組み立てている描写はモンタージュの暗喩なのだろうか。昨今の流行に照らし合わせても、これほどカット数が多い映画は中々お目にかかれない。別々の国で同時進行する物語なのだから必然的とはいえ、細かい矢継ぎ早のカッティングが目立つ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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その割に見やすいのは例えば:回るガラス球→回転するレコード(ZEPPの4thだ)、物を置く、といったアクション繋ぎが多いからか。特に終盤のクロスカッティングは全く大した緊張感だ。
これは編集だけでなく「電話」の使い方の巧妙さも大きい。OPでアメリカ大使館員の一人が電話口で呟く「もう手遅れよ」。また、アフレックがイランに飛び立つ前、妻にかけた電話が繋がらない場面。更に中盤、カナダ大使の私邸にかかってくる無言電話。こうして無意識のうちに刷り込まれた不穏さがクライマックスで一気に発露する。よく考え抜かれている。
しかしそれにしてもこのベン・アフレック、前作にもましてカッコつけすぎ。バカバカ煙草を吸うし酒も飲む。しかし被写体としては存在感がちょっと弱いように思う。劇場でかかっていた『人生の特等席』予告のイーストウッドの方が万倍泣けた。
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