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[コメント] 舟を編む(2013/日)

言葉の海にもまれ溺れそうになりながら、その海を航海していくワクワク感を感じさせてくれるような内容だと思ったのでいまいち残念。
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







人からはただ真面目な人間にしか見えない馬締くんの内面には、言葉の海に潜りたいという衝動があるわけで、そういう人間の性癖の面白さが描けていないということはないけど、いまいち弱い。設定の表面だけをなぞっているような浅さを感じる。

そういったことでいうと監督の演出は、説明を果たすだけで適当に処理しちゃってるところがあって、それがこの監督の弱点かも。

例えば、紙袋いっぱいに辞書を買って帰ってきた馬締を迎える渡辺美佐子の大家が、紙袋から飛び出している数冊の本を一見しただけで、「どうしたの?そんな辞書〈ばかり〉買ってきて」と言ったり、出社してくるなり脱力で座り込んでしまう馬締を見るなり、伊佐山ひろ子が「好きな人でもできたんじゃないの?」とか言う場面。そうなんだけどさ、ってわかるんだけど、そこをそう言わせるまでの芝居が映画の面白いところなんじゃないか、って気がします。偉そうですみません。

(評価:★3)

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