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[コメント] ローン・サバイバー(2013/米)

タイトルからして「ネタばれ」なのは仕方ないけど。それにしても『ブラックホーク・ダウン』を思い出す。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







予告編途中に挿入される、映画史の批評の宣伝文句「勇気と感動の実話」という言葉。「無謀と無益な実話」ではなかったんだろうか?と激しく思う。

リーダーのラトレルはいくつもの「選択ミス」をしている。もちろんこれは「後になってから見たら、」のことなので、それを責めるのは卑怯かもしれないが、後から見たら、なおさら、なのである。

まず牧畜の老人・子供たちと遭遇したときの選択。「殺す」か「逃がすか」の2択以外の選択肢を考えてもよかったんじゃないか?いや、考えていたが、重要視していなかった。「縛る」とか「しばらく連れて行く」とか、「2人縛って、1人連れて行って、途中で解放する」とか。「殺す」のをためらったところまでは判るのだが、「結果」をみれば、「最悪の選択肢」。

2つ目は、「解放したの後の選択」。解放したのなら、こっちは4人しかいないのは判っているんだから、一目散に逃げればいいものを、中途半端に後退して、「夜まで待とう」。結果を見れば「最悪の選択肢」。あっという間に追いつかれ、修羅場に。冒頭の「地獄の訓練」をつんでいるのなら、不眠不休で逃げ切れるだけの能力はあるように、少なくとも映画を見る分には思う。

結果、「3人の仲間」と、「ヘリで救援に来た仲間」、それに「タリバン兵」だって無駄に命を落とす羽目に(ここがポイント)

なぜ、『ブラックホークダウン』を思い出したのかというと、あの映画では襲い来るソマリア兵が、それこそ「エイリアン」か「バイオハザード」のようで、「虫けらのごとく」倒しまくった。結果、「1000 Vs 19」、無謀な作戦のため、19人のアメリカ兵が命を落とす裏で、1000人のソマリア兵が死んでいる。アメリカ兵の死はドラマティックだが、ソマリア兵の死は「ゾンビ」だ。しかし、終盤近くに「善良そうなソマリア人」が、帰還したアメリカ兵に拍手を送るシーンがあり、なんだか「虐殺」に近いソマリア兵の被害を「肯定」しているように感じた。(ただし、最後にテロップで「1000vs19」と表記していたところは、ちょっと評価した。

この映画に話を戻すと、終盤にラトレルを助けるアフガン人の村が出てくる。私は決して「タリバン」を肯定しているわけではないが、「善良なアフガン人」が出てくることで、タリバン兵が「エイリアン化」した。殺しても仕方のない存在だと。

仲間の死がドラマティックに演じられている裏で、タリバン兵はどれだけ命を落としたのだろう。エンドロールに実在の登場人物やその家族の写真がでてくる。いやそのタリバン兵にも家族はいるだろう?

あと、もし私が亡くなった兵士の家族だったら、この映画をみたら、ラトレルを怨むよ。

・・・と、その作戦という事実は私には、こんな美談として映画化されること自体が疑問だったりする。

で、それでも映画を楽しもう!と思ったが、なにしろタイトルも予告編も「ネタばれ」だから、3人が死んでしまうのが「最初から判っている」というのはどうなんだろう?

映画としては「落下」のシーンが印象的だった。どれだけ落ちるんだよ、「蒲田行進曲」ですか?ってくらい。途中で顔が泥だらけになって、区別がつかないぞ。あと、エリック・バナはヘリに乗ったんだよね、で、撃墜されたんだよね?死んだの?

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)おーい粗茶[*] 味噌漬の味

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