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[コメント] 愛の渦(2014/日)

はたして理性は性交の妨げになっているのか、その秘匿こそが「一年中発情期」という生物的に恥ずべく異常性欲の源なのか。そんな矛盾を人は「人間らしさ」と呼ぶことで獣との一線を引いて痩せ我慢をしているわけで、その可笑しさと悲しさがいまひとつ響いてこない。
ぽんしゅう

それは映像に「性行為」を定着させるとう覚悟が三浦大輔に足りないからだろう。8人の男女が「行為」に至るまでの人間臭さと同じくらいの力点を置いて、その「行為」にはげむ動物臭さを描かなければ、人が「人間らしく」あることの可笑しさや悲しみは「画面」には写らない。

1970年代の日活映画の居直りや、大島渚の『愛のコリーダ』(76)の覚悟を、今の時代に求めるのが野暮だとしたら、せめて同じ三浦の原作を映画化した大根仁監督の『恋の渦』(13)を観れば、私のもどかしさを理解してもらえるだろう。

「恋の渦」にあって「愛の渦」にないのは、人の行為(=肉体の反応)を写し撮ることへのこだわりであり、それこそが映画を映画たらしめるための覚悟であり技術だと思う。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ダリア[*] pori 3819695[*]

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