[コメント] LUCY ルーシー(2014/仏)
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「何だこのバカ設定?」と思っていたのですが、もう十数年その“進化”を見続けて世界一のセクシー女優に上り詰めたスカーレット・ヨハンソンがバンバン二丁拳銃とか撃ちまくる様をウヒウヒ見てやろうと思って映画館に足を運んだわけさ。 以前も書いたことあるけど、「女殺し屋」って好きなんすよ。要するに『グロリア』物ね。『ニキータ』とか『キル・ビル』とか『親切なクムジャさん』とか『ソルト』とか『ブレイブ・ワン』とか『ハンナ』とか『天使の処刑人 バイオレット&デイジー』とか『マッリの種』とかそういうのが観たかったんすよ(自分で挙げといてナンだけど、終盤は例として挙げても分からんな)。 ところが出てきた物は、半端なエスパー物と出来の悪い進化論だった。「みんな!エスパーだよ!」かっ!
いやー、あのー、言いたかないけどさ、人間の脳が10%しか使われてないって都市伝説なんでしょ。「90%の活動内容が不明」ってだけで「90%が活動してない」って訳じゃない。それに今じゃその90%も解明されてるそうじゃない。茂木健一郎先生がテレビで言ってたよ。それにDNAだって、1歳の頃に飼ってた猫のしっぽが折れてたなんて記憶は保持しないぜ。
百歩譲って、いや百万歩譲って、『恐竜100万年』譲って(<言いたいだけ)、この設定を呑んだとしても、いろいろ納得いかないんだよね。 能力が発達したルーシーがものすごい勢いでPC操作するけどさ、どんだけ高スペックのPCなの?どんなCPU積んでんの?インテル入ってるの?そのネットワークの早さは何?カテゴリーいくつのLAN線なの?無線の規格はIEEE802の何なの? 膨大な過去の知識をデータ化したらしいけど、その媒体は何?USBなの?
いやもう何だか、「昨日『2001年宇宙の旅』観ました!感動しました!俺もああいうの作りたいっす」って大学生が作ったような話。あるいは60年前にアーサー・C・クラークが書いた「幼年期の終り」をものすごく出来損ないにしたような話。
せめて映画として面白ければよかったんだけど、楽しみにしていたヨハンソン嬢のガンファイトもほとんどなく、肌もあらわにワーキャー言いながら逃げまわることもなく、主人公としての心の葛藤も皆無なまま、ナショナルジオグラフィックみたいな映像を見せられる。 これならいっそ、スカーレット・ヨハンソンで『恐竜100万年』撮ってほしかったよ。
(14.08.31 ユナイテッド・シネマとしまえんにて鑑賞)
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