[コメント] 紙の月(2014/日)
演者の力で覆い隠されてはいるが、最初の不倫関係に入る部分の描写が急ぎすぎで唐突な感が否めなく、それがストーリー全体の説得力を弱めている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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原作未読です。
終盤の宮沢−小林の芝居合戦のために丁寧に描写を重ねて、ものの見事に炸裂させており、出来が良いものであるとは思っている。
その分、残念に思うのが梨花(宮沢りえ)が「一線を越える」際の心理描写が甘く感じられることである。特に光太(池松壮亮)と最初に不倫関係を持つ部分。正文(田辺誠一)が時計を渡すシーンと逆になってればまだ納得感があったが、あまりに唐突な印象がありそれがずっと引っかかってしまった。
まぁ、男女の関係なんてそんなもんでしょという考えを否定するつもりはないが、『桐島』の徹底的な心理描写を踏まえたとき、吉田監督にしては小さくない瑕疵であると思う。
また、ラストで梨花はタイに飛ぶが、カードの支払いを拒否され孝三(石橋蓮司)相手の色仕掛けを含めた金策をも失敗した彼女が一体どこから金を調達したのか、この描き方では不自然に感じる。
前作が前作であるだけに自分の中で必要以上にハードルが上がってしまったかもしれない。決して駄作ではないので、ご心配なく。
(2014.11.16 シネプラザサントムーン)
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