[コメント] インターステラー(2014/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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マシュー・マコノヒーが遠い宇宙へ出発するまでの冒頭約1時間が一番面白い。ドローン追跡シーン、野球場に砂嵐が迫る場面、NASAの施設に侵入しようとした際に照らされた強烈なライト、隠されていたロケットがどーんっと現れる場面、父と娘の別れにロケット発射のカウントダウンを重ねる、こうしたスペクタクルをちゃんと用意しているのが良い。スペクタクルを色々盛り込む一方で娘に対する愛情や食糧危機の深刻さなどはほとんど描かれないか台詞で説明されるだけで、どうしても惑星探査に向かわねばならないという使命感はまるで伝わってこないのだが、まあ派手な場面があって楽しめるのでそれはそれでいいとしよう。また、ワームホール突入前にワームホールが球であることを台詞だけではなくメモ用紙を用いて視覚的に説明しているのは純粋にいいと思う。
しかしワームホールを越えてからはそうしたスペクタクル性すら失われてしまう。宇宙船内のシーンは会話ばかりで動きが無いのは仕方ないとしても、ブラックホールは書き割りと大して変わらず、一面水や氷に覆われた惑星など地球上でも見られる程度の画面しか呈示されない(凍った雲は少し面白い)。わざわざ遠い宇宙を舞台としているのに、地球で見られたほどのスペクタクルがここには存在しない。5次元空間はそこそこ印象的ではあるが、この場面はお話の辻褄合わせとしての側面が強くイメージとしての強烈さに欠ける。
そしてやはりマシュー・マコノヒーとマット・デイモンのどつきあいから始まるクロスカッティングはあまりに酷すぎて見ていられない。ごちゃごちゃしていて何をやっているのかさっぱり分からない。アクションとしてまるで面白くない。他の場面はまだ許せるが、こんな編集を見せられたおかげで私のこの映画に対する信用は完全に失われた。
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