[コメント] 放浪記(1962/日)
まず、主役の高峰秀子が不細工なのだ。よくこれだけ不細工になれるなってほど不細工。ひいき女優の不細工な造形を、お金を払ってまで観たいと思う人は少ないだろう。しかしこれは、彼女にしかできない芸当なのだ。あの味を出せる女優が他にいるだろうか?
本格的な美形女優がやると、やはり「違う」と思わざるを得ない中、彼女はいかにも自然にこの不細工な主人公を演じている。ましてやそれは成瀬巳喜男の映画に深い関わりを持つ林芙美子という実在の人物なのである。その思い切った造形を、演技を、拍手をもって讃えないなんて、それは嘘だ。
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