[コメント] 十戒(1956/米)
歴史スペクタクルはこれと『ベン・ハー』観れば、もうお腹一杯になること請け合いです。
何といっても、壮大さをきちんとビジュアルで見せている点が素晴らしいし(エキストラはのべ25,000人が参加!)、見せ場もたっぷりあるから最後まで飽きない。紅海真っ二つの特撮シーンは子供心に恐ろしいほどの衝撃を受けたし、音楽も印象に残るものばかりだった。
しかし一番凄いのは、プロデューサー兼監督のセシル・B・デミルの遺作がこれだったという事実だ。映画封切時、彼はなんと75歳!製作期間の長さから考えても、70代に入るか入らないかという高齢にしてこの映画を作るとはデミル爺さん恐るべし、である。歳をとるに連れて観念的なだけでつまらない映画を撮るようになった黒●明や篠田某とはえらい違いだ。
デミルがどれだけこの映画に力を注いだかは映像からも分かる。なんと本編が始まる前、デミル本人が幕の前でコメントをするという映像が入るのだ。これには意表を付かれたが、同時にデミル本人の映画への熱意と観客への感謝の意を感じた(「非常に長いので休憩も挟みました」という配慮が泣ける)。このサービス精神からしても素晴らしい。ちなみにこのシーンはかの有名(?)な『アタック・オブ・ザ・キラートマト完璧版』の冒頭でパロディー化されている。
ようやくDVDもリリースされたようだが、一番の願いはステレオ完全版サントラの発売です。以前出た奴は全曲収録では無く、しかもお気に入りの「エジプト軍進撃のテーマ」が聴けないという不完全なシロモノだった。これさえ出してくれればもう文句は言わん!
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