[コメント] 半世界(2019/日)
久しぶりに「男」の、しかも、3人の馬鹿正直な中年男の友情(?)物語だ。ただし、紘(稲垣)の鈍感さも、瑛介(長谷川)のナイーブさも、光彦(渋川)の分別くささも、中学時代から一向に変わっていないようだ。「男」を正直に描くと“男らしさ”とは無縁になる。
社会経験をつみ、そろそろ40歳にさしかかるころ、人は、あの時の親のお節介や、理不尽や、甘えが、実は優しさ、強さや、弱さだったことに気づく。
何故か男は、特に中年男は、優しさ、強さや、弱さを素直に認めたくないもので、家族や社会に向かって意地を張る。意地とは自信がないときに張るもので、それは「世間」や「世界」に向けた知ったかぶりでしかなく、不安と焦りの表れなのですが・・・私も、そうでした。
だから「男」を正直に描くと“男らしさ”とは無縁になるのですが、紘(稲垣)の息子(杉田雷麟)もまた“男らしさ”をしっかり受け継いだようです。良くも悪くも阪本順治監督もまた“男らしさ”幻想を追い続ける「男」なのですね。
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