[コメント] 旅のおわり世界のはじまり(2019/日=ウズベキスタン)
夜の暗い路上。男たちがたむろしており、不穏な空気をかもす。同じような画面として、地下道も何度も出てくる。いつもの廃墟のモチーフに近い。あるいはホテルの窓と、風で膨らむカーテン。前田が外出から帰ってきた時に、突風のような風が吹くのはわざとらしいが。
前田はイヤなキャラ。自分勝手だし、現地の人々と交わろうとする気は全くない。警察署のシーンを経て、ラストで払拭したと云えるのか。いや、観客にモヤモヤを残すのも狙ったところ(手管)なのだろう。
ラストの怪物(?)の出現は、予想の範囲。その後の高台での「愛の讃歌」歌唱は、感動的ではある。今年度ベストを争うのだろうな、と思う。確かに『サウンド・オブ・ミュージック』の様相も呈するが、むしろ、またぞろ『気狂いピエロ』のラストを思い出す。雪を頂いた山を緩やかに、そして気恥ずかしそうに、パンニングする。遠く、ミゾグチをも想起させる。
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