[コメント] パラサイト 半地下の家族(2019/韓国)
キャラクターの中では邸の奥さん役、チョ・ヨジョンの顔演技が、とてもレスポンスが良く(彼女だけそう演出されているようにも見える)、面白さを牽引するのだが、この人の優越意識(あるいは蔑視)をもっとコントラストをもって見せても良かっただろう。
タイトルロールの寄生者(と観客が思い込んでいる登場人物)が、二転三転する展開は素直に面白い。寄生者のエンディングは余りに寓話的で、私は感心しない。もっともっと厳しい方が私の好みだ。
ビジュアルとして圧倒的なのは、矢張り高低の表現で、半地下の窓から映した外(地上)の世界との対比、邸の中の地下へ通じる階段なんかも上手く見せるが、とりわけ、大雨の中、半地下の家に戻るため、どんどん、どんどん野外の階段を下りる画面は見応えがあった。象徴的イメージに過ぎる感覚もあるが、過剰さこそ映画なのだ。ただし、浸水シーンは大袈裟過ぎる。こゝは過剰というよりも、冗長に感じる。
あと、モールス信号によるコミュニケーションの多用は、綱渡り的作劇だと思う。ちょっと首肯し難い。男の子(邸の息子)に、モールス信号を送ったことが反故になる展開も首をかしげる。この子の描き方はキャラクターの中で一番雑で、家庭教師(ギジョン・妹・パク・ソダム)が最初に懐柔した場面の欠落も気になった。
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