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[コメント] ジュディ 虹の彼方に(2019/米)

ジュディ・ガーランドの伝記というよりも、主に最晩年の一時期(1968年〜1969年初頭)を扱った映画だ。レネー・ゼルウィガー演じる部分は、ほとんど「ジュディ・イン・ロンドン」というべきもので、これに、少女スタア時代のフラッシュバックが挿入され、構成される。
ゑぎ

 なので、例えば、ヴィンセント・ミネリとの恋愛・結婚・出産や、『スタア誕生』(1954)の成功と失意などという部分は一切触れられない。それはそれで構わないのだが、ちょっと残念には思う。

 少女時代を演じるダーシー・ショウは、その当時のガーランドとはずいぶんとルックスの違う女優で(特にバストサイズが全然違う、と思いながら見たが)、顔もガーランドより、万人受けする美人のような気がする。ただ、彼女が唄う場面がないというのは、これはがっかりする。それと、ルイス・B・メイヤーは出てくるが、アーサー・フリードが出てこない、というのも何かの忖度がはたらいているのだろうか。

 ゼルウィガーはもちろんよくやっていると思うが、声質・声量ともにガーランドとは比ぶべくもなく、そこはいかんともし難い。特にサビの声量が聞かせどころになる、例えば「降っても晴れても Come Rain or Come shine」のような歌で、残念感が顕著になる。そういう意味では、出待ちをしていたファン二人のアパートで、ピアノに合わせて「ゲット・ハッピー Get Happy」をしっとり唄う、この歌唱が一番良かった。シーンとしても、一番感動的な場面だろう。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)緑雨[*] トシ ぽんしゅう[*]

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