[コメント] 37セカンズ(2019/日=米)
主人公のユマ・佳山明の、化粧する顔の接写から始まる。これはフラッシュ・フォワードだ。続いて、帰宅中のユマと駅で待つお母さん・神野三鈴との待ち合わせ。ユマがこゝで第一声を発するが、あゝいい声!と思う。彼女の声と口調は何と云っても、本作のチャームポイントだ。
家に帰ると、すぐにお風呂に入る。服を脱がされ全裸になる。一緒に入ったお母さんも胸が露わに。私は密かに、心の中で快哉を叫ぶ。映画に賭ける、その意気や良し。
カッコいい女性があと二人出て来る。一人はアダルト雑誌の編集長・板谷由夏で、分け隔ての無い平等感がカッコいい。ポテンシャルと、その発揮、つまりは実力ということだが、それだけが評価基準なのだ。
もう一人は渡辺真起子。最近いろんな映画でよく見かけるが、たいがい汚れ役か、普通の主婦役といった印象なにのに対して、本作では、かつてモデルだった頃のルックスを思い出させる、黒で決めたショートパンツ姿がカッコいいのだ。ユマに対する優しさは、少々やり過ぎの感もあるけれど、その心意気というか、義侠心は、よく伝わってくる。ユマとの会話場面での、望遠レンズを使った、リバースショットなんかも、彼女のカッコ良さを上手く表象している。
あと、これは男性だが、海の家のような場所で登場する尾美としのりが、昔と比べると、とてもいい顔になったと思った。昔は顔が嫌いだったのだが。
そして、タイの小学校の場面で、大きなバルコニーのような場所で会話するカットがあるけれど、画面奥のジャングルの方で、猛禽類がゆったりと飛んでいる、また、バルコニーの手すりの隙間から、川の怒涛、濁流が見える、というカットなのだ。これは恐ろしく強いカットで明記しておきたい。
#トシ・大東駿介と一緒のベッドに寝ているカットが2回ぐらいあるのだから、どちらからでもいいが、ちょっかいを出して断られる、ぐらいすればいいのに、と思った。
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