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[コメント] 三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020/日)

三島が語った2、3の言葉しか知らなかった例の討論会が、TBSにきっちり撮られていたとは知らなかった。今、観るに足る作品かどうか。☆3.9点。
死ぬまでシネマ

討論会は東大焚祭(粉砕のモジリ)期間中の1969年5/13に、東大駒場の900番教室で行なわれた。本郷の安田講堂を占拠していた全共闘は'69年1/18から19にかけて機動隊に排除されていた。映画冒頭、当時の時代状況を全く知らない若者にも理解しやすい様に、比較的丁寧且つキャッチーに纏めている。

兎も角、三島由紀夫が緊張しつつ(簡単に言えばビビりつつ)、しかし若者への情熱を持って臨んでいた事が伝わったのが新鮮な驚きだった。学生運動は間違いなく人間の集合体であり、得体の知れないシステムではなかった。三島の言葉は、市ヶ谷の自衛隊員より東大全共闘の方によく伝わったのかも知れない。

ともあれ、当時の学生の言葉は矢張りトリッキーで(トロツキーじゃないよ)不親切だ。 平野啓一郎内田 樹小熊英二三氏が解説してくれなきゃ革命的楽観主義者には理解不能だ。三島もイライラしながらそれでも付き合っているのが面白い。三島は<日本>を超克する気も必要も無いと言い、全共闘は唖然とするが、現在の日本人はどうだろうか。

しかし実際にはもっと意味不明な論点があった様だから(本にはなっている)、映画ではあれでもキャッチーな所を抜き出したのだろう。

     ◆     ◆     ◆

最優秀主演賞は、三島ではなく芥 正彦…、でもなく、

彼の赤ちゃんでしょう!

     ◆     ◆     ◆

う〜ん、書くべきでは無いのだが、一つの意見の表明として。ペンクロフさんは「… 学生運動の9割はフリーセックスの方便なんやろと自分は思い込んでいる」と書いておられる。勢いもあるのだとは思うが、私は「幾ら何でも」と思う。各自の経験や見聞で大きく異なるとは思うが、それは余りにも私の知っているそれとかけ離れている。日本の黒歴史になってしまったのは事実ではあるけれども、日中戦争・太平洋戦争といい、そういう踏みつけ方ではまた未来を誤るのでは無いだろうか。幾ら問うても黙して語らなかった祖父の世代を思い出したので、敢えて。(済みません)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ペンクロフ[*] けにろん[*]

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