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[コメント] パブリック 図書館の奇跡(2018/米)

作品としては大絶賛というほどでもない佳作ですが、今観るべき映画であるのは間違いない。
月魚

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ニューヨーク公共図書館』でも思ったことだけど、「Public/公共」って、日本だと例えば「公共の福祉に反しない限り」というと「世間様に迷惑をかけない範囲で」と同義になっちゃって「公共=世間(多数派)」になりがちなところが、この映画での「公共」は「基本的人権が守られるべきすべての人(つまり「すべての人」だ)の集合体」であって、多数派であっても少数派の基本的人権を侵害することは許されないのが当然で、そこがうらやましい。

基本的人権がそもそも「多数決でも侵されない、あらゆる人が持っている権利」なのだから日本でも本来当然であるべきことなのだけど、2020年のCOVID-19下の自警団で改めて強く意識するようになった同調圧力とかに思いをはせつつ、なんかわが国ではそこらへんが容易に忘れられるので負けないようにしよう。

ってなこととは別に、最後は悪役だったはずのクリスチャン・スレーターまで良い人の片鱗を見せて終わるあたり、エミリオ・エステベスの人柄がにじみ出ているようで味わい深いですね。ほめてもけなしてもいないのですが。

(評価:★4)

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