『銀河鉄道の夜』を彷彿させる不穏な美しさ。冒頭のパラシュートで木に引っかかっているシーンは首を縊られた男がぶら下がっているように見えるし、その後も黒い巨人や墜落した飛行機の中の死者の幻とか、一貫して不穏。なのに美しい世界。セリフ無しの潔さも最高だし音楽も素晴らしかったです。。

度肝を抜かれる間歇泉や、ただ走るところを横から撮っただけのシーンにも心を奪われます。極限までシンプルな絵なのに、例えば鳥が飛ぶことを覚えて自分から離れていくさみしさが口元だけでわかるあたりも含めてとんでもない表現力にひっくり返りました。

とは言え、日本版エンディングは本当に万死に値する。『マッドマックス/怒りのデス・ロード』がまだマシだったと思えるレベルの無神経さ。本当に意味がわからない。