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[コメント] 私をくいとめて(2020/日)

面白かった!のん最強。前野朋哉も最高!この世代では、矢張り、のんが最強なのだと、はっきり知らしめた。もう地上波のテレビドラマなんか一生出なくていいから、ずっと映画でやっていってくれ、と思った(一映画ファンの不埒な思いです)。
ゑぎ

 まず、本作の凄さで何をおいても特筆すべきは、タイトルのセリフが出る、終盤のホテルの廊下での感情表出、その演技・演出だと思いますが、それは、こゝにいたるまでの感情の揺さぶりが実に効いているからだとも思う。中でも大きいのは、温泉旅館での吉住の場面を見た後、外のベンチに座って興奮する部分だ。このシーンでのAとの対話は、全く尋常じゃない。尋常じゃないほど、私の心にも響く。だから、ホテルの製氷機の前に座り込んでからの、ぶっ飛んだ破壊力のある展開が、余計に凄みを増して感じられるのだ。

 さて、もう少し、気に入った演出を書き留めておきます。一つは、今日的なVFXを使ったポップな処理が可愛い点。イタリア行きの飛行機の中の、大滝詠一「君は天然色」に合わせた、文字が飛び交う演出。他にも、マンションの窓外の電線に音符が連なっているカット等。品の良い画面だと思います。

 あと、マンションの中の照明の演出。灯りが点くか点かないか、どう点くか、何色で点くか、そういうことが途中からずっと気になってしまうように作られている。これも楽しく見られた要因だと思う。特に玄関のライト。例えば、林遣都が食事に訪れるシーケンスでは、訪問時に明滅させ、帰り際に電球の交換を手伝ってもらう。あるいは、Aの趣味の歯医者とデートして帰って来た場面。こゝは、灯りを点けないので、玄関がとても暗い。ローキーの中、黒いパンプスを脱ぐ足で、感情を表現する。これは素直に上手いと思いました。というような細部の面白さもあり、この監督には今後も目を離せません。

(評価:★4)

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