[コメント] 窓辺にて(2022/日)
人物たちの当意を得た言葉が充分かつ最適な間(ま)で交わされるようすを、適度な緊張を保った視線で際立たせる会話空間の演出が絶妙。彼、彼女らはみんな自分に正直で他者に優しく、何も否定せず争わない。それゆえ生まれる"思い”のギャップが微笑や苦笑を誘う。
オリジナルだという今泉力哉のシナリオの(構成もさること)洗練された台詞が素晴らしい。その言葉の力を信じて間(ま)を恐れない演出(これが長尺140分の原因でしょう)と、状況を静かに見つめるカメラの視線。そして感情が表に出ず(悩んでいるのに)マイペースな言動が余裕にすらみえてしまう誠実なフリーライターと、作家として(自身は少し持て余しぎみ)の才気と思春期の女子らしい不安を秘めた高生作家のほほ笑ましい関係を稲垣吾郎と玉城ティナが好演。完成度の高い会話劇を堪能しました。
終わってみれば挽こもごもひっくるめて、みんな納まるべきところに収まるソフィスティケートなコメディだったんですね。
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