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[コメント] 恋人たちの予感(1989/米)

いろいろ考えると、原題が秀逸。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







自らの「友情」というコトバに縛られながらも、(意図せず)揺るぎない愛情を育んでしまう2人が、とてもいとおしい。

この映画自体は、男女間の「友情」とはあまり関係がないように思える。どーのこーの言ってても、お互いへの評価は「オトコ」として「オンナ」としてからちっとも外れることはないし。セックスの対象とか外面的な魅力とかとは別な、内面の「オトコ」「オンナ」に反発しながらも魅かれていく、一組の理想的な恋愛のカタチを描いたものだと。外面的なところやステレオタイプのイメージから離れたところで、「オトコ(オンナ)らしさって一体?」みたいな感じの、真摯でオモシロおかしい考察。でもって、お互いに自分の「オトコ」や「オンナ」が相手に認められ、自分も安心して自分の「オトコ」「オンナ」をさらけ出せる関係。一過性のトキメキはなくとも、こんな居心地いいことはないだろ、みたいな。2人は友情という視点を拝借して、知らず知らずのうちに「伴侶」として相手はどーなのかってことを、結婚する前に長い年月かけてじっくりと確かめちゃってるんですね。賢いんだか抜けてるんだか・・・(笑)。

くだけた会話から何から、とてもウェルメイドで愛らしいラブ・ストーリー。そして何より一番好感が持てるのは、2人を最高に理想的なカップルとしてまつり上げているんじゃなくて、「日常の数あるカップルの中には、こんなカタチのカップルもいますよ」みたいなさりげない視点。様々な老夫婦がいろいろな言い分で自らの結婚生活を語るシーンが時折挿入されるけど、なれ初めや事情はそれぞれ違っても、みんなとても幸せそうな顔してるし。その中の一組にこの度ハリーとサリーも加わりましたって感じが、とても等身大な扱いだな、なんて思う。

追記:ちなみに男女間の友情について。個人的には様々な妥協のもとに成立すると考えとります。でもハリーとサリーみたいに年がら年中「オトコなんて」「オンナってやつは」なんて調子でやってたら、逃げ出すかどーしようもなく好きになるか、どっちかしかないんでないのか・・・?

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (7 人)ぽんしゅう[*] oh! パッチ ハム[*] ろびんますく[*] d999[*] mize

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