[コメント] 青春の殺人者(1976/日)
何にも無いのが寂しくて、つい、
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ナニしてしまったり、アレ想い出したり
確固たる理由なんてべつにない
要するに甘ったれてるだけだ
順も、俺も、ゴジも
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機動隊からは完全に無視され、(昔の8mmフィルムよろしく登った)磔台の炎からも逃げ出してしまう主人公・順は、自らの犯した「親殺し」を「思想」へと昇華することの出来ない「ちっぽけな存在」だ。藤田敏八、黒木和雄、神代辰巳、寺山修司らの青春映画の主人公達は、たとえ敗れたにせよ「時代」と一戦交えたが、この「順ちゃん」にはそれすら許してもらえない。お目通しも許されない。しかし「時代」と対峙しないってことはより普遍的だってことでもある。現実味があるってことである。ここがこの映画の素晴らしいところ。
師匠今村昌平仕込の綿密な実地調査と、大島渚と組んで数々の実録犯罪映画を生み出した田村孟の「犯罪心理リアリズム」に、上記先輩方の「負の青春エネルギー」を注入した『青春の殺人者』はまさに長谷川和彦ならではの映画と云えましょう。
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