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[コメント] ゴッドファーザーPARTIII(1990/米)

最終回ってどうしてもまとめに入っちゃう。前2作が文句無しに5点(以上!)だったからちょっとがっかり。
ざいあす

かなりのブランクがあったにしては、様式美とテンションは維持されているのに驚く。同じ監督だから当たり前か・・。

「ファミリーの絆」をお題目にしながらも自分の家族をないがしろにしているという矛盾を内包したまま崩壊へと向かう図式は、ややお約束ぽい。特に、安っぽい狂言回しのように唐突に現れては文句ばっかり言ってるダイアン・キートンの役回りが鼻につく。彼女の存在は大事なのだが、あまりに取って付けたような現れ方にげんなりしてしまった。

まあ、アンディ・ガルシアも見れたし、パチーノは円熟ぶりをみせつけてくれたし・・。うまくまとめて完結させたと言うべきなのでしょう。

追記・久しぶりにテレビで見たら、昔の記憶がかなりいいかげんだったのが判明。ダイアン・キートン悪くなかったよ。新たな感想としては、大好きなアンディ・ガルシアがよけいなキャラに思えたこと。

マイケルが晩年を迎えて人間性を回復する章というか、1と2の後日談というよりも、マイケルの心の葛藤の中身を3でくわしく解説して、なおかつ「おとしまえ」をつけた感がある。だから映画的には、ヘリ襲撃の乱射場面やラストのオペラの進行と平行して描かれる暗殺場面などが見せ場だが、自分的には、マイケルが泣きながら枢機卿に懺悔する場面や元・夫婦ふたりで父の生家などを訪ね歩く場面が非常に感銘深かった。前2作のノスタルジーに浸っているのかもしれないが、現代ニューヨークでは銃撃シーンも安っぽく感じて、舞台がシチリア島に移ったとたんにドラマに重みを感じてしまうのは皮肉だ。

矛盾してしまうが、マイケルの心情を丁寧に描いたためにテンポが悪くなり、若干のかったるさを感じたのも確か。なにしろ前2作では「悪の華」とも言うべきカリスマぶりが痛快でもあったマイケルのキャラが、すっかり物分かりの良い「好々爺」になっており、映画的ケレン味がトーンダウンしたのは否めない。

あとは、音楽。前2作のネタを使いまわし、あげくは劇中に演奏させたり歌わせたりしたのは眉をひそめた。イメージの統一感の演出といえばそれまでだが、もちっとオリジナルも考えてよ。

2回目に観ると、みかけの絢爛さより、マイケルの「心の旅路」のような、ある種内省的な部分に惹かれた。アンディ・ガルシアはよけいな登場人物に思えてくる。 最初に4点つけたけど、5点でも良いと思う感動をまた味わえた。

(評価:★4)

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