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[コメント] ぼくのお日さま(2023/日)

目撃するということ。思わず立ち止まり、じっと見てしまう。見とれてしまう。見つめてしまう。そして、ともにひと時を過ごすということ。近づき、ささえ合い、離れ、また近づく。北国の小さな町の少年と少女の、そんなひと冬の出来事を温かく柔らかい光が包み込む。
ぽんしゅう

前作『僕はイエス様が嫌い』もそうなのだが奥山大史監督が撮る「雪景色」には寒さではなく暖かさを感じてしまう。監督自身が撮影し編集もするスタンダード画面から伝わってくる“温もり”が「雪景色」から温度を奪い、少年や少女を包み込むための「白く美しい背景」にしてしまうのだ。主人公たちにスポットを当てるようなこの“温もり”の醸成こそが奥山監督の持ち味なのだろう。

越山敬達中西希亜良がとても好い。過度に(行動やセリフ)で主張することなく、そこにいる(存在)することで「少年」と「少女」の心情が伝わってくる。これもまた“思春期”という年代が醸し出す「不安定さ」を信じて二人に何もさせない奥山監督の感性のたまものだろう。

(評価:★4)

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