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[コメント] 平成狸合戦ぽんぽこ(1994/日)

説教臭いが、是非言葉になっていない想いも汲み取って欲しい。「人間は狸だったのか・・?」この作品は深い・・!(02/02/17)
秦野さくら

宮崎氏の作品は、「思想」を直接的な台詞であまり語らないが作品としてのメッセージがダイレクトで強い。(そこが、私が宮崎氏の作品を気軽に見られないカセとなっている。ちなみに『もののけ姫』は未見。おそらく当分観ない)

この作品は、「思想」を語る直接的なメッセージやナレーションは多いが、作品としてのメッセージは間接的、そして深い。そして、人間の自己批判を、狸の立場で観ている私にとっては、あざとさもいやらしさも感じず、自然に観られてしまった。だから、水那岐氏の「確かに説教臭いかもしれないが、それも人間=狸の視点でのこと。宮崎駿のごとく「神の目」で自分の哲学を語ってしまう愚に較べれば、なんら嫌悪感をもよおすことではない」とのコメントについて、宮崎氏と「愚」とは思わないまでも、両者のスタンスの違いについての見解にはとても共感した(水那岐氏、勝手に引用してすいません)。

種の哀しみ。種の争い。種の栄枯盛衰。この作品は、種のエゴイズムをさらりと上手く表現している気がする。この顛末こそが、真の種の有りようであり、種が生き抜くための飾り無き有り様なんだなろうあ(高畑さん曰く)・・。妙に納得。

そして多摩の舞台は『平成狸合戦ぽんぽこ』から『耳をすませば』へ。 乱開発の様を描いた場所で、ラヴストーリーを作ってしまうんだから、たしかに凄い(笑)。 新旧織り交ぜ上手に懐古感情を引き出していた『耳をすませば』は、ジブリが作ったぽんぽこ思想の形を変えたリベンジだったのかもしれない。

・・・確かに、狸を主役に置いた作品としては長く、ナレーションが多いダレる構成ではあったと思う。それによって良いシーンが霞んでしまっているのが惜しまれる点である。

評価低いなあ・・なんだか悲しい。

(評価:★4)

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