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[コメント] シンドラーのリスト(1993/米)

人間の理性の素晴らしさを確信させた映画。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







朝のストレッチングをしながら、そのストレッチの一つであるかのように収容されているユダヤ人を射殺する収容所長。

効率的にと、一列に並べてから、その方向にそって銃殺される人々。

第二次大戦中のドイツで圧倒的なものとして存在していた、ナチズムの残虐さと、その人間的な退廃。

そしてそれが当たり前のものであるかのような雰囲気をつくりだした、戦争の狂気とファシズムの暴圧。

その真っ只中に身を置きながら、それに流されることなく多くのユダヤ人を虐殺から救出するために全力をあげた人間がいるということ。もちろん、そのような人はシンドラーただ一人ではないだろう。

それでもそういう人間がいるということ、人間にはそういう事ができるということを、これだけ力強く見せられたことは、私にとっては衝撃的であった。

同時にその人間の理性的な力があったとしても、ファシズムが支配するもとでは、悲劇は止められない。第二次大戦中のさまざまな悲劇の中でも発揮されてきた人間の理性の力は、今度こそ、戦争が起きる前に発揮されなければならない。

ラストに指輪を握り締めて泣き崩れたシンドラーの姿を見て、私はそう感じた。

(評価:★5)

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