[コメント] 幸福の設計(1947/仏)
というわけで、この映画の「速度」には心底驚愕した。話の展開が速いという意味ではない、人物の動きの早さが尋常ではないのだ(思わず再生速度を確認したほど)。喋りも1カット内での動線も一切の躊躇がなく動く。完全に無心理。だから宝クジを失くした時の絶望表現が「ゆっくり歩く」、これだけで充分になる。おまけに人物同士の掛け合いが滅法笑えるのだ、これは『穴』や『肉体の冠』にも劣らず素晴らしいベッケルの名作。
ホークスやサークの最良作にも匹敵する凄まじい速度感。当たりくじのすり替わりや財布を失くす際の手際よい描写。或いは結婚式の出席者にたまたま財布を拾った人間がいたという映画らしいご都合主義。そしてクライマックスの乱闘のど迫力にキスショットからラストへと繋ぐ編集。これはもう、非の打ち所がない。
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