[コメント] U・ボート(1981/独)
潜水艦の映画らしく閉所の映画であり、狭い通路を高速で移動するカメラアイ(客観ショット)の迫力が随分と印象に残るのだが、しかし同時にこれも潜水艦の映画らしく本作は卓越した音響の映画だと云えるだろう。
映画の装置としての納得性は画面造型以上に音作りに拠っている。観客は有無を云わさず納得させられてしまう。ただ、ラストのアイロニーは頭でっかちに感じる。反戦映画としての位置づけを明確にしたことは観客にとって判りやすい措置かも知れないが、ちょっと嫌らしい。後のウォルフガング・ペーターゼンのハリウッド映画に見られる大味な演出に通じるものがある。潜水艦内を走るカメラがトイレまで見せる、といった即物的かつ猥雑な感覚とハリウッドっぽい大味な演出が同居しており、居心地が悪い。
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