[コメント] 男はつらいよ 寅次郎心の旅路(1989/日)
時はバブル経済まっ盛り。好景気に踊らされるように寅もついに海外旅行に出かけるのだが、
ウィーンだからといって浮かれずにスタイルを変えない姿はやはり天晴れ。
寅がヨーロッパに行くなんてことは48作品の中で位置づけるとどう考えても異色な設定なわけだが、 寅をウィーンに飛ばしてしまうほどこの頃の日本はバブル経済に踊り狂っていたと捉えたくなる。 戦後始まって以来の日本経済大転換の年にこの異色作を撮ったのはとても偶然とは思えない。 毎年コンスタントに撮る映画に必ずその時代の空気を取り込む山田監督ならではの産物であろう。
今思えば寅が海外に行くことが土地も株もゴルフ会員権も売りサインだったわけだが、 「寅がウィーンなんてありえん。日本経済はやはり狂っとる。」などと言って売り抜けた人も一人ぐらいいるかもしれない。 その人は時代に流されない寅さんのような人なのだろう。いや、そんな人は財テクなんか興味ないか。
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