[コメント] 男はつらいよ 寅次郎紅の花(1995/日)
カットを細かく割っていられない現場の焦燥が期せずしてホラー映画の画面を構成する。冒頭の美作滝尾の駅舎の窓口に顔を出す寅。奄美で満男と遭遇するそれ。どちらもワンカットで彼は現れギョッとさせる。もはや亡霊であり、それが廃墟を彷徨うのである。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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亡霊は亡霊ゆえに四半世紀かかってようやく恋を客観視できる位置に到達し、リリーと奄美に帰ることができたのだが、その落着きは、どんな熱愛も成就すれば変質せざるを得ないと意識させることで、満男の恋には冷水になってしまう。
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