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[コメント] 疑惑(1982/日)

濃厚な「モモイズム」の充満した二時間だ。(05・5・23)
山本美容室

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 何度見ても飽きないね。といっても今回で4回目ぐらいだけど。面白い法廷劇だなぁ。

 この映画、法廷での桃井の「不規則発言」が見所だね。「ちょっと〜誰の裁判やってるのよ〜。アタシのじゃないの〜?」「バッカみたい」「アタマ悪いんじゃないの〜?」アサハラでもあんなには大暴れしなかったに違いない。

 鹿賀丈司との法廷内での会話も最高だ。「また新しい事思い出しちゃったなぁ」「しゃらくさいわねぇ!」「アンタみたいのをチンコロっていうのよ」「チンコロ?」「刑務所じゃそういうんでしょ。この懲役太郎が!」

 柄本明の新聞記者。こいつがイヤでねぇ。正義感丸出しで桃井を追い詰めていくんだね。「人が死んでるんだぞ!」お前何様のつもりやねん。岩下志麻に左遷先から電話してくる粘着体質。最後まで好きになれなかったなぁ。

 名古屋章が会社の重役の役で証言台に立ってたね。声が「ドン・ガバチョ」そのもので、細かく震えていて可笑しかったなぁ。あれは緊張している演技だったんだろうか?

 岩下志麻山田五十鈴の掛け合いが良かった。「ちょっとココ税務署?」「騙すも騙されるも、お互い承知の世界なんだよ!それでそっちより泥水飲んでんだ!亭主に聞いてごらん!逃げられちまうよ!」山田五十鈴の芝居良かったなぁ。

 音楽に芥川也寸志毛利蔵人がクレジットされてたね。毛利蔵人はTVアニメ『赤毛のアン』の音楽を担当した人やね。聴いた感じでは、共同作業というより毛利蔵人に音楽は、殆ど任されてたんじゃないかなぁ。管楽器の使い方がそんな感じがしたね。

 映画の出来としては平凡だけど、最後まで飽きずに見られたのは、濃厚な「モモイズム」の力が大きいね。

「モモイズム」…けだるい話し方に特徴があり桃井かおりが元祖。烏丸せつこなどの女優を輩出した。現在清水ミチコが一番上手く模倣する事が出来る。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)TOBBY[*] けにろん[*] 直人[*]

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