[コメント] 十九歳の地図(1979/日)
十九歳の時、希望にときめく者もあれば、人生の奈落を垣間見て不安に慄く者もいる。紺野とマリアが、明日の自分かもしれないという焦燥を、矮小な生活者たちをさらに小さな地図に閉じ込めるということでしか紛らわすことができない吉岡の蟻地獄。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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吉岡(本間優二)が陥ったのは負の方へ負の方へと向か、うまさに縮小のスパイラル。人生の地獄へ落ちる恐怖から逃れようとすればするほど周りが地獄にしか見えない恐怖。同じ感覚に陥ったことのある私には、吉岡の恐怖と焦りが痛いほど良く分かる。
紺野(蟹江敬三)の「どうゆうふうに生きていけばいいいのかなぁ。分からないよぅ・・・」のつぶやきと、マリア(沖山秀子)の「死ねないのよぉ、なかなか死ねないのよぉ・・・」のうなり声。
抜け道を見失い、東京の底にへばりついた青春。そんな十九歳を過ごした私の脳みそに、呪文のようにしみわたる。
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