[コメント] パリ、テキサス(1984/独=仏)
言葉にしなくても自分の意志が通じると言う事はある。
でも、言葉以上に自分の意志を伝えられる方法は無いのです。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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冒頭、喋らないと言う事に徹していた男が、最後は饒舌な程に自分の気持ちを吐露するシーン、そこで語られる事柄がつくづく言葉は声に出して言わなければダメだと言う事を感じさせる。
主人公の孤独さ、それは誰かに何かを伝えると言う事をも諦めてしまった、 荒涼とした砂漠の風景。
孤独とは退屈なモノ、前半部退屈だとするならば、その孤独な退屈さの象徴が砂漠であり、言葉を無くした様に何も喋らない事だったのでしょう。
弱くて傷ついた大人達が出て来る中、最も力強いのは実父とはとても血の繋がりがあるとは思えない程キレイな顔のハンター君。
周りから聴こえてくる、大人達の弱い本音を聴きながらも、 自分は最初は戸惑いながらも、実父、育ての親ともにパパと呼んだり、 自分達が進む道を父親に指示したりと、 「なんて素直で強くてええ子や」と思いました。
そして最もドキッとしたセリフは、過去の自分達のフィルムを見て、 「トラヴィスはまだ母親の事を愛しているんだね」と、その育ての母親が言った時、 ハンター君が言ったセリフ、「映画の彼女が好きなんだよ」と言った場面、 思わずビクっとしましした。
・・・でも、このラストの後、ハンター君が育ての親達と暮らしていかなかったとすると、ちょっと育ての親達かわいそうすぎですよね。
力強い作品ですね。
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