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[コメント] 激突!(1971/米)

前半はサスペンス、後半はホラー・アクション。
緑雨

言い換えると、敵の意思がまったくわからない怖さを描いたのが前半で、敵の意思がわかったことによる恐怖を描いたのが後半。また、敵の正体がわからないがゆえの不気味さを描いたのが前半、敵の正体なんてもうどうでもよくなるほどの”戦闘”を描いたのが後半、とも言える。

個人的には前半のサスペンスこそがこの映画のキモだと思う。正体はわからなくても、最初のガソリンスタンドで皮のブーツだけは見せる演出が秀逸。この伏線がカフェのシーンで威力を発揮するとともに、タンクローリーが無機的な凶器ではなく、明らかに人の意思を帯びていることを印象づけられるのだ。

オープニングからの導入もよくできている。いつもの通り自宅のガレージを出て、渋滞する都市部を抜けてハイウェイを郊外に向かうにつれて前後に車がいなくなっていく。能天気なラジオ。そこに徐に現れるタンクローリー。日常に不穏さが入り込んでくる過程が絶妙に表現されている。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)ゑぎ おーい粗茶[*] けにろん[*] ぽんしゅう[*]

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