コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] スプラッシュ(1984/米)

何から何までアニメ向き。でもそれを生身の人間が(過度な技術に頼らず)一生懸命演じているからこそ、いとおしい世界。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ステキなメッセージが込められていると思う。

結婚に至る仲むつまじいカップルを見ながら、これが無上の幸せなんだとうらやむ毎日を送る主人公。まるで彼の頭の中には、幸せはこうあるべきだという絵が出来あがっているかのように。

そこに現れたヒトメボレの相手。当然ながら有頂天、アニキもうらやむ位に幸せ垂れ流し。しかし彼女が人魚であった事を知った瞬間、彼はどんなことを考えたのだろう。「コレは俺の頭の中にある幸せの図からは程遠い。不幸になるだけだ」。固定化された幸せがあったからこそ、彼女が受け入れられなかったのだと思う。

でもありがたいアニキの助言で、自分にとっての幸せが何かを知り、ハラハラさせつつも、勇気を出して新しい幸せに飛び込む。見終わった後に思うのは、「幸せのカタチなんてヒトそれぞれ。世間の幸せが自分の幸せとは限らない。そんなものに惑わされているより、自分にとっての幸せの瞬間を見極め、それを掴むことの方が大切」。

ミゼラブル様の意見と同意で、人魚に人間にならせるのではなくて、人間が違うものになるからメッセージになるのだと思う。固定観念から外れた、言ってみればマイノリティな愛のカタチ。現実味があり過ぎてここまで爽やかに描くのはムツカシイかもしれないけど、同性愛に目覚めてしまったヒトの話に当てはめてみたりすると、分かりやすいと思う。

そしてあえて人間が演じることによって、メッセージも等身大になったと言えるのでは。役者さんたちの好演に拍手。それにしてもジョン・キャンディのアニキキャラにやられた。いいかげんに振舞いながらも、あんな要所要所でしめられては・・・もう出てくるだけで、ココロ踊ってしまった。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (7 人)あき♪[*] スパルタのキツネ[*] なつめ[*] KADAGIO[*] tredair パッチ mize[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。