[コメント] バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985/米)
観客と映画の共犯関係。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
中盤に至るまでに「未来へ帰る」「父と母の仲を取り結ぶ」というふたつの目標が設定され、その目標は設定されると同時に「紆余曲折を経つつも最終的にその目標は達成されるのだろう」という確信を私たち観客に与える。そして物語は決してその確信を裏切ることなく、すべての出来事が目標達成に向けて粛々と消化されていき、また私たちもそれをほとんど全的に受け容れていく。私たちと映画のこの「共犯」とでも呼ぶべき関係が生み出しているのは「面白さ」というよりむしろ「快感」と云ったほうが適当だろうし、「その快感は果たして表現としての『映画』に貢献するものなのか」と問われれば答えに詰まってしまうのも事実だ。だが「映画的か否か」を作品自らが不問に付すことで為されている(或る意味ではいいかげんな)この快感の大特売は、(そのいいかげんさも含めて)アメリカ映画のみに可能な祝祭でもあるだろう。したがって快感と祝祭の音楽として鳴らされる“Johnny B. Goode”に涙してしまったとしても、それはまったく無理からぬことである。
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