[コメント] 四月物語(1998/日)
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毎年、4月にはたくさんの人が東京にやって来るね。面白いのが、見てるとその人が地方出身か地元出身かがわりかしハッキリしているの。東京や近郊に住んでる人ってちょく×2渋谷とか池袋とかに遊びに来るから人に慣れているって言うか、とにかく場慣れしているんだよね。で、地方出身者にもまた幾らかのレベル分け見たいのがあるじゃないの。大阪なんかは誰もが認める文化みたいなのがあって、住人もそれに対して自信持っているの。普通、地方からきた人って、周りに合わして標準語話すよね。だけど、奴ら大阪人(?)は自分のスタイルを頑なに崩さないのね。日本語もろくに覚えないで旅行にやって来る※人みたいに。ま、面白いから良いんだけど。 でよっ。卯月が出身の北海道って沖縄と北南を分けた両雄って感じかな。やっぱその距離が抵抗みたいなのを生むんだろうね。しかもその動機が思いっきり不純で誰にも話せなかったりするからね。そりゃ松本一家も総出で見送るでしょう。全くかみ合っていない引越し作業にぷぷぷっ。ボスの「俺の家には友達来なかったよ」の台詞が笑わせるけど、東京ってそんな所なのと不安をよぎらせるの。やたら警戒心強い女がお隣さんだったり、やたらクールなクラスメイトがいたり。映画館で言い寄って来る勘違い男は本当に存在するし、参っちゃうの。もうとにかく卯月の顔は引きつりっぱなし。「あのー」「すいません」のアメあらし。 でも×2、先輩は自分のこと覚えてくれていたの。あ〜うれしい。傘貸してくれたおじさんもいい人。螺旋階段の下から女の人のスカート覗けたけどジェントルマンに振舞っていたしね。あら不思議。あんなにおっかなびっくりだった東京生活も色々合ってなかなかじゃないの。おじさんを見送って「ふぅ〜」とため息一つした後の彼女の笑顔が最高なの。これからが彼女の本当の東京生活なんだなと思うの。色んな人と出会って、色々と吸収するものがあって、恋をして、時には失恋をして……。在り来たりな内容の連続で、未開の地に足を踏み入れるって意味では、誰でも経験したことがありそうな話よね。だけどどんなミステリーやサスペンス、ロマンス映画があったとしても、結局私たちってこの地に足をつけて生きていて、空想の世界は現実を凌駕することは出来ないのよね。そういった意味で現実と映画との境界線を危うくするほどのリアリズムが少し恐かったりするの。でも×2、始まりの季節にふさわしい物語でしたのね。
あと岩井監督も言ってた気がするんだけど。やっぱ7〜80分の尺がベストだわ。
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