[コメント] エイリアン4(1997/米)
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うん、ワタシなら絶対イアン・ホルム型よりウィノナ・ライダー型アンドロイド選びますね。....ま、それはさておき、
この映画はエイリアンシリーズに、”実存”という哲学的命題を持ち込んできたとおもいます。まずシリーズ1〜3にかけて、リプリーは己の生存を賭けてエイリアンと対峙してきたわけです。しかし4で彼女は、オリジナルリプリーはすでに200年前に死亡しており、自分はオリジナルの細胞から作られたクローンにすぎないことを知ります。しかもエイリアンのDNA(あるとしてですが)をも組み込まれて。リプリー”失敗作”を目の当たりにしたエイリアン融合リプリーの戦慄は、アニメ、コンバトラーVのラスト、自分は数あるロボットの一体にすぎなかったことを知り、慄然とするガルーダ将軍を彷彿とさせますし、「殺して...」と哀願する失敗作達を半狂乱になって虐殺するところはコミック「銃夢」の1シーンを思い起こさせます(....というかほとんどパクリではないかと...)。どちらの作品も自らのアイデンティティを問うことに物語の主軸をおいたものですが、この映画ではもはやエイリアンと対決するためだけの存在となり果ててしまったリプリー自身が、自らのアイデンティティを探すストーリーであると観るべきではないでしょうか。相棒となるのがアンドロイド、というのもミソです。彼女もまた自分の存在理由に悩んでいました。
次回作はどうなるのでしょうか。ウワサではヴィンチェンゾ・ナタリか?とも言われてますが、ティム・バートンあたりにやってもらいたいような気もします。地球に降りたエイリアンはその恐ろしげな姿形からみんなに疎外されてすっかり厭世的になり、ついに逆ギレして大暴れ。そんな寂しいエイリアンの気持ちを解ってくれるのは唯一リプリーだけ......なんつって。
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