[コメント] ウォレスとグルミット チーズ・ホリデー(1989/英)
言葉を発しないグルミットは,よくしゃべるウォレス以上に雄弁だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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このシリーズは,日本が世界に誇る宮崎アニメに勝るとも劣らないレベルに達していると思う。ただ,この『ウォレスとグルミット チーズ・ホリデー』は,後の2作(『ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ!』『ウォレスとグルミット 危機一髪!』)と比べてしまうと,ストーリーも単純で,ややレベルが落ちるように見える(というより,後の2作がレベル高過ぎ)。描写の細かさにしても,後の作品になればなるほど,より精緻になっている。
しかし、この作品でも、細かいところまで本当に巧く作り込んであって驚くばかり。例えば,ウォレスがロケットの図を描きながら紙をめくるシーンで,めくった紙が透けて線が重なっていったり,めくった紙が多くなればなるほどそれを透して見える光が弱くなっていったりするところなんて,観てる方も普通は気づかないだろう。ビデオで何度か観ると,そういう細部も実にきめ細かに描き込まれているので,びっくりする。
それと,言葉を話さないグルミットの表情が実に豊かだと思う。顔自体がシンプルなつくりなのに,目と眉だけで何と雄弁なことか。目は口ほどにものを言いという諺を,こんな形で実証しているようだ。
それにしても,月の表面が石筍のようになっていて,しかもそれがチーズで,削いで食べるという発想は,何ともシュールというか…。
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