[コメント] GODZILLA/ゴジラ(1998/米)
俺が1998年当時まだ小学生だった、とはいえ怪獣映画でも好き嫌いが別れ子供心にも幼稚に感じた日本の怪獣映画よりもエイリアンやプレデター、ザ・グリードやミミックのような海外の怪獣映画(いわゆるクリーチャー映画)に興味を示していた。
だが、ウルトラマンやガメラには相変わらず惹かれていた。というのも、ゴジラは彼ら二体に比べれば「ヒーロー」という個性が合ったから感情移入しやすかったからだとおもう。
昭和世代の人間が聞けば「そうか?」と思うだろうが90年代ほど怪獣特撮が注目を浴びた時代は少ないだろう。テレビをつければ平成ウルトラ三部作、劇場では平成ガメラと平成モスラシリーズ、そしてビデオ屋にはゴジラシリーズのビデオがポンポンあった。90年代に子供だった人間は怪獣特撮最後の時代だったのだと思う。
話題が逸れたが、子供心に俺が日本のゴジラに見切りをつけたのは実を言うとこの映画があったからだ。
日本のゴジラをはるかに越える巨大感や迫力、そして破壊描写。俺はこの映画で素直に「すげぇ」と思った
そして小学生当時、たとえミサイルで死んでもたとえ火を吐かなくても、そこには驚異的な怪獣がいたと感じた。平成ガメラシリーズでもレギオンに震えていたり、イリスに怯えていたがこれはその比じゃあなかった。
確かにデザインは違った、だが劇場の中にいたのは誰が何といおうとも俺にとっては迫力ある物に感じたし日本のゴジラとは全く違う映画として観ていた。
ふと、思ったがどのファンがどんなに正当化しようとも日本のゴジラを、もっと言えば日本の巨大怪獣特撮をある意味では殺してしまったのはこの映画じゃないのだろうか。
この映画で出てくる怪獣はゴジラとは言いがたいデザインと紙耐久っぷりなんだが、それでも映画本編をみたらわかるが巨大感や実在感は金子修介でも追いつこうとしたが、やはり今一歩追いつかなかったものがある。
終盤近く、死んだと思っていたが、地中から雄たけびを上げながらでてくる「彼」の迫力はやはりトンデモないし2012年の今の邦画でもこれを越える巨大怪獣というものをあまりお目にかかれないように感じるのだが果たしてどうだろうか?
あとよくある言説だが「アメリカ人にゴジラの魅力はわからない」云々の論説はどこからその自信過剰がくるんだろうか?
確かに初代ゴジラには反戦反核の思想はあったが、それがゴジラの全てだろうか?よくよく考えるとゴジラの逆襲からすでにエンターテイメントしていたんじゃないか?
確かに日本のゴジラとはデザインや設定が全く違うけど、デザインやキャラ設定が違うといえば「フランケンシュタイン対バラゴン」にでてくるフランケンシュタインや「キングコング対ゴジラ」にでてくるキングコングだってデザインもキャラ設定も全く違うしどっちもどっちでしょとしか正直思わない。
日本国内では評価は高いこの二作だが、海外のサイトのIMDBなどをみればわかるがこれらの評価はすこぶる低い、ゴジラよりもキングコングやフランケンシュタインの方が好きで思い入れがあるという人間は実際に海外では多いんじゃないだろうか。
だが、俺はフランケンシュタイン対バラゴンは好きだしあれはあれで怪獣の悲壮感は中々出ている気がする。
だが、よく巷であるような「アメリカ人に怪獣映画はわからない!」なんという意見はあれらの映画とこれを比べても、まだそんな事がいえるんだろうか?
もしも、そんなことをアメリカ人に言えば「じゃあ君たちは何で僕らのキングコングをあんなオランウータンみたいな怪獣にしたの?」「じゃあ君たち日本人は何であんなフランケンシュタインをホームレスみたいなのしたの?」と言われればどういう反論をするのか少し観てみたいとも思っている。
(勘違いしないでほしいが、フランケンシュタイン対バラゴンは大好きな映画だ。)
ぶっちゃけた話、正直日本もアメリカもどっこいどっこいの原作レイプしかしていない。
それはともかく、俺はこの「GODZILLA」は日本のゴジラ以上に迫力がある怪獣映画であると反面、日本の怪獣映画を完全に叩きのめしてしまった呪わしい作品であり、やはりこれにでてくるゴジラはゴジラであるかといえばやっぱ違うよねこれと言わざる負えないものになってる。
やっぱりここまでほめておいてなんだが、やはりゴジラと名乗るからにはビルを破壊したり口から熱線を吐いたり、ミサイルごときでは死ななかったりしてほしかったりする。
そして今、2012年12月現在・・・・ゴジラの再リメイクのニュースをみているが俺の夢がかないそうなのかもしれないと思いドキドキしている。
というわけで、この映画は☆三つがふさわしいだろう。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (4 人) | [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。