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[コメント] 愛の新世界(1994/日)

自分自身へ向けられた悲壮感のない愛。
もずくねこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画での彼女は表面的な部分しか見せてくれません。 もし私が彼女の友達ならば「でも本当はどう思っているの?」と 彼女に問い、そして教祖から教えをうける信者のように 答えを待っていると思います。

つまり私は彼女に憧れているのです。 (SMに憧れてるわけではなく、彼女の生き方とかそーいう事です)

彼女にはすべての事において悲壮感というものが全くなく、 自分自身に向けられたその愛と強さで人生を渡っていきます。 私はその悲壮感のない愛と強さの秘密を知りたいと思いました。 しかし映画の中の彼女はそれを教えてはくれません。

そんな中でアラーキーの写真だけが、彼女の「真の部分」を 写し出していました。 彼女の笑った顔、目を伏せた顔、足を開いた顔。 空間と一緒に切り取られた彼女が化石のように映画の中で 静かに存在していました。 彼女は相変わらず何も語らないけど、私は私なりに少しだけ 彼女に触れたような気がしました。

かなり個人的な気持ちから「5」。

(評価:★5)

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