[コメント] 愛の新世界(1994/日)
アラーキーの写真の、匂い立つようなリアルさとは対称的に平板な作品世界。愛の“新”世界よりも、アナクロな小劇場劇団の閉息感だけがまとわりついてきた。一方で、『ラブ&ポップ』な街になる前の、最後の渋谷を切り取ってあることには、今や貴重感も。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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小劇場劇団を旧世界として描写したというのなら、それは一定の成功をしているだろう。しかし、新世界であるべきSM描写が、なんともうすっぺらく通俗的。
単に扇情的であることにはとどまらないアラーキーの作品世界をベースにしながら、興味本意のポルノグラフィーにすらなっていない。アラーキーその人がこの作品にどんな印象を持ったのか、気になるところ。
SにしろMにしろ、コスプレイヤーのような表面的な理解で手を出しただけならば、フェティシズムやセクシャリティーに説得力のカケラすら持たせることはできないだろう。
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