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[コメント] ビッグ・ショー! ハワイに唄えば(1999/日)

人が喋ったりアクションしたりする度に、こまめにその人にカットが切り替わる。このような馬鹿のひとつ憶えのカット割りはもう少し工夫するべき。演出も平凡以下。井筒和幸監督は批評家としては面白いけど監督としての才能には疑問を感じた。
さいた

テレビのバラエティー番組じゃないんだから、喋る人物に瞬時にカメラを切り替えるのは観辛くなるだけ。それも前半はバストショットが多いので、下手な漫画のコマ割りを見ているみたいな感じ。

それと音楽無しの台詞だけのシーンが多い事も欠点のひとつ。その理由は台詞だけで演出するシーンは役者の演技力が求められるのですが、残念ながら主役である室井滋の演技がそこまで達観しているとは思えないからです。これでは映画に置けるリアル感が乏しくなってしまいます。これは井筒和幸監督にも責任があります。室井滋の力量を計った上で、音楽なり効果音なりを入れた演出をすれば、もう少し観客にも感情移入しやい作品になったと思います。

これらは制作費が足らないという問題ではなくて、ただ単に井筒監督の勉強不足。総合的にみて、構図や演出に関してはセンスの欠片も無い監督だという事が良く分かりました。

点数は1点ですが、都はるみの「好きになった人」には感動しました。歳をとると演歌が心地よく聴ける様になるのが不思議です。若い頃は大嫌いな歌のジャンルの代表だったのに。玉置宏の舞台ナレーションもプロですね、心に響きました。この舞台が無かったら点数も付けたくありません。井筒監督が「虎の門」で言うところの0点ですよ、本当に。アントニオ猪木の引退試合の言葉で安易に感動させようと言うのもずるい方法です。猪木ファンなら、あの言葉はいつ何処で聞いても感動的ですからね。都はるみやアントニオ猪木ではなくて、完全にオリジナルで勝負した作品だとしたら見る影もない作品だった事でしょう。

(評価:★1)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)TOBBY ina tkcrows[*]

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