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[コメント] 菊次郎の夏(1999/日)

改めて観て思う。いい映画だな、これ。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私はこの映画を北野版『百萬両の壷』だと思っているのだが、その類似性について熱弁を振るうと『百萬両の壷』のネタバレになるので行わない(これだけならネタバレにはならないはず)。

岡田惠和という私の好きな脚本家がいるのだが、彼は「ビーチボーイズ」(『ウォーターボーイズ』でもテケテケバンドでもない)に代表されるように「大人の夏休み」を描く作家である。必ずしも設定は夏ではない。冬の時だってある。でも「夏休み」なのだ。そこに描かれるのは「人生の夏休み」。この映画にあるのはまさにそれ。これは、大人の人生の夏休み映画なのだ。

概してロードムービーとはそうしたもんである。

「夏休み」は単なる「夏の休み」ではない。長いようで短く、短いようで長い。そこにある楽しさは一過性でもあり永遠でもある。いや、楽しい時間は決して長くは続かない。私は、「夏休み」に伴うのは喪失感にも似た切なさだと思っている。 それを余すところなくオーソドックスな話の中に詰め込んだ本作は、秀逸な「夏休み映画」なのだ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)TM[*] ぱーこ[*] IN4MATION[*] けにろん[*]

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