[コメント] 風と共に去りぬ(1939/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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この名作の内容をまったく知らずに今まで生きて来た自分はかなり貴重だろう。けれどそのおかげでものすごい衝撃を受けた。
ヴィヴィアン・リーが今になっても人気があるのは、彼女がとても可愛くて清楚だからだと思っていた。しかし、このスカーレット、想像していた女性像とは全く正反対のものすごい女ではないか!
「こんな女嫌だよー。アシュレーの選択は正解。結婚するなら、見た目は普通でも心根の優しい女の方が絶対いいに決まっている。」とこれを観た世の男性が思ったのなら、彼女が、絶対数で圧倒的に多い「普通の女達」に希望の光を与えた事は間違いない。
眉を釣り上げ、我が侭し放題。情熱的で、たくましく彼女への賞賛は、同時に非難でもある。とてつもなく最低な女なのにどこかしら魅力的なスカーレットに、私生活でも似たような経験を持つヴィヴィアン・リー(=以下参照)はまさにはまり役であった事だろう。
この年代にこれだけの映画が存在した事にも驚いたが、もっと驚いたのは、スカーレットの生き方がすでにこの時代(1939年)に受け入れられていた事だ。女は男に付いていくものだというナンセンスはここには見受けられない。自分の足でしっかりと立ち、生抜く。この時代の女性達が、そういった生き方に憧れながらも出来なかった事を彼女はやってのけたのだ。
しかし、その代償が大きすぎる。子供の尊い命をもってしなければ、自らの愚かな行いに気づかないとは…。その部分があまりにも切なすぎて、☆5にしきれない。もし5にしてしまうと、彼女の生き方に賛同しているような気がするからだ。 ========================================
37年、「無敵艦隊」で共演したローレンス・オリビエと恋に落ち、夫子を置いてハリウッドに渡る。オリビエが「嵐が丘」の挨拶にプロデューサのデビッド・O・セルズニックを尋ねた時、一緒にいた彼女に声がかかった。それは、何人もの候補が出ながらも主演女優が見つからないまま撮影がスタートした本作だった。
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