コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] オープン・ユア・アイズ(1997/仏=スペイン)

不細工な男にゃ生きる希望を失わせる映画だ。ハッ!そうか!俺も「目を開けて」、顔を整形すればいいんだ!・・・なんか間違ってるような気がする。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







※『バニラ・スカイ』観ました。こっち(オリジナル版)の方が面白かった。特にレビュー変えてません。(02/05/05)

これって、夢の中に入り込んできたL.E.社の人の言ってたことが正しいんでしょ?つまり、現実のセサールは150年間冷凍保存されていて、今は西暦2145年であり、L.E.社が都合よく書き換えた記憶の上に自ら夢を見続けていたのだ、と。とすると、夢から覚める決心をしたのは、彼(L.E.社の人)が、「現代の整形技術は格段に進んでいるので、あなたの顔も元どおりに出来ますよ」と言ったからじゃない? もちろん直接的には自分の夢を自分でコントロールできなくなったからだけど、それだって本当は(心の底では)自分は怪物顔のまま、冷凍されて夢を見ているだけだってことに気付いてたからでしょ? そんなにも自分の「美しい顔」が自己の拠り所になっていたのだとしたら、それはもう業のようなもので、同情するほかないけれど、果たしてそれでいいのかねえ?なんとも言えない哀しい物語ではあるが。

途中、もしかしたらこのまま『グッド・ウィル・ハンティング』みたいな展開になるのかと思って、ちょっと身構えちゃったけど、あっさりエンターテイメント路線に走ってくれたので安心しました。ま、エドゥアルド・ノリエガに感情移入できるような「美顔」は持ち合わせていませんが。

ただ、観ていて、映画の中での夢と現実がごっちゃになるという不思議な感覚を味わいました。ラストのビル屋上のシーンなど、実際(映画の外)は1997年のマドリードで撮られているだけなわけですが、映画の中ではセサールの見ている夢な訳で、「ああ、こんなきれいな青空が夢だなんて思えないな」と感じてセサールに同情してしまうという、ねじれた錯覚に陥りました。CG全盛のハリウッドに毒されているせいかもしれませんが、筋運びが巧かったからだと思うことにします。

映画の語るメッセージについては疑問符ですが、見せる技巧が上手かったので、この点。

80/100(02/02/11見)

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (6 人)鵜 白 舞[*] 映画っていいね[*] はしぼそがらす[*] ことは[*] coma[*] トシ[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。