[コメント] オープン・ユア・アイズ(1997/仏=スペイン)
メビウスの輪とエドゥアルド・ノリエガの美。
表と思ったら裏側で、裏側と思ったらまた表を歩いている。混乱感覚の再現。
現実と妄想とが境界線なく溶け込んでゆくときの、ぬるりとした、ぼんやりと暗くて重い、いつも何かが欠けている手触りを、アメナバールはよく知っている。
「この現実はすべてが嘘で…」なんていうテーマはこれまでいくらだってあった。ただ、その足元の砂が崩れていく感じ、それをここまで、作品全体を通して丁寧に追うことは少なかった。だから、そこに「凄味」が生まれたのではないか。
でもやはり、特筆すべきはエドゥアルド・ノリエガの美しさ。失われたものだから、はっとするほど美しくみえたのかもしれないが。
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