[コメント] 気狂いピエロ(1965/仏)
世界には、色と、光と、言葉と、文字と、音楽と、映画と、あなたと私しかいない。そんな瞬間が在る。
生れて初めてのおデートで観た映画。20年ぶりに再見。少しつま先立ちの10代の楽しい時間があった。主人公たちの二人だけの孤独な逃亡に憧れ、「僕らは夢で出来ている」の意味を話したようなはずかしー記憶。そして20年間の大いなる変化と成長はというと、ラストの言葉が、ランボーだとわかるようになったくらいかな。
ところでこれは「映画」を解体しようとしている作品なのだろうか。フラーにうんちくを語らせ、人物が観客に語りかけ、突然本名で互いを呼び合い、ミュージカル調のシーンがある。作中に登場するスクリーンの中の人物が、主人公にカメラを向ける。いきなりテクニカラーを挿入する。そうやってイタズラのように壊して、壊して、その行為が反転して本質に近づく矛盾を目指している。哀しい静けさだ。
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