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[コメント] 勝手にしやがれ(1959/仏)

「聖ヌーベルヴァーグ教」教典映画。此レ侵スベカラズ。
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教則

第一条:ヌーベルヴァーグは映画の歴史を変えたと認識すべし。

第二条:ヌーベルヴァーグの映画の絶対的上位性を認識すべし。

第三条:ヌーベルヴァーグの映画だけが特殊だと思い込むべし。

第四条:ヌーベルヴァーグの映画、監督を必要以上に有り難がるべし。

第五条:中でもゴダール、トリュフォーは天才と崇めなければならない。彼らに対して批判を行うなど論外である。

第六条:ヌーベルヴァーグの映画を積極的に観るべし。

第七条:ヌーベルヴァーグ監督が言及する監督(ヒッチコック等)も積極的に観るべし。

第八条:ヌーベルヴァーグ以前の映画は面白いものなどないと思うべし。レンタルビデオでも手を伸ばすことは禁ずる。

第九条:ヌーベルバーグ教に於いて職人監督(ハリウッドの何でも屋監督)は一段下の地位にあると認識すべし。

第十条:ハリウッドの娯楽映画は映画ではないと認識し、積極的に批判すべし。

第十一条:作家性に固執するべし。有名監督の作品は無批判で受け入れるべし。

第十二条:ヌーベルヴァーグ映画のテクニック(ジャンプカット)が出てきたら目の色を変えて飛びつくべし。

第十三条:映画を観るときは常にヌーベルヴァーグとの関連性を考慮に入れなければならない。

第十四条:以上を守れば汝は映画の本質を理解したと見なされるであろう。

◆私の通う大学には映画を始めとする映像系の授業が幾つかあった。そこでは如何にヌーヴェルバーグが映画史に於ける激震的存在であったかが語られていた。全部で5〜6種類の授業でヌーベルヴァーグ映画が引用され映像資料として使用された(そして大体は本作か『大人は分ってくれない』であった)。総合的にいって授業で言及される映画の8割はヌーベルヴァーグ系であった。リアルタイム的な面を考慮すれば、教員が熱を入れるのも分らないでもないが。が、学生に信者みたいな人は多かったな。↑の教則を守っていそうな人と何人も出会ったな。

ちなみに私はこの映画「嫌いではないが特に良いとも思わない」という評価です。

(評価:★3)

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