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[コメント] 地球防衛軍(1957/日)

盆踊りを愛し原水爆に断固として反対する国民を拉致し、洗脳し、嘘つきプロパガンダ活動を行い、軍事力の優位で脅す某国がミステリアンと妙にダブる。
アルシュ

ミステリアンの科学力が半世紀近くたった今でも色褪せない。とかく陳腐化しがちな先新技術も本作では優れたデザインを見せてくれる。その極め付けが敵のプラズマディスプレイ(?)だ。作中、日本家庭にある角丸ブラウン管のTVとで、その科学力の差を見せつけてくれる。半世紀前からフラット画面の登場を予見したかの先新性だ。宇宙からの侵略者と闘うプロットが円谷特撮としては初めてであり、特撮映画の古典とは思えない。

そして特撮もオンパレード。十数年後『日本沈没』(←私の偏愛映画)が製作されるが、藁葺き屋根を洪水が押し流すシーンなどは、挿げ替えさせて欲しいくらいのリアルさだ。

世界国家をキッチリうたっているところもいい。ハリウッド映画では、米国はグローバルをとなえながらも、その実、自国中心の欺瞞に溢れている。

スーパーマン II 冒険編』では米大統領が自分の権限だけで三悪人に全世界を譲ってしまうし、『エボリューション』では「2ヶ月で全米は征服され我々は滅びる。」との台詞がある。こういうのに米国の覇権主義が汲み取れるのです。

でも本作では侵略への対応に関しては、きっちりと肝心の判断を国連に委ねているし、世界が一丸となって困難に立ち向かおうという姿勢がハッキリしている。これも戦後間も無い日本らしい。

私も甘崎庵様同様に、ミステリアンの支配地域に組み込まれてしまうが、嘘つき某国のミサイルの射程にも入ってしまっている。はてさて、どうしたものか。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)おーい粗茶 荒馬大介[*] かける[*] ゼロゼロUFO[*] 甘崎庵[*] kiona[*]

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