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[コメント] 宇宙大戦争(1959/日)

僕が「見た」初めての「宇宙」だった。そして今、再見すると世界情勢の中で必死にもがく日本という国家とその理念・理想が見えてくる。
sawa:38

前作『地球防衛軍』のコメントともダブるが、この頃の日本は世界の「前科者」だった。西側諸国にとって、ソ連・中国・北朝鮮という新悪役の登場で、世界からの風当たりは薄らいではいたが「前科者」の烙印は消えようも無い。

そして日本は「国連」という錦の御旗に希望と活路を見出していく。国連に奉仕(金銭的に)する事で国際社会に対しての贖罪とした訳である。

本作はそんな錦の御旗(国連もしくは国際会議)を描いている。だが、kiona氏の指摘するように『アルマゲドン』やら『インディペンデンスデイ』同様に日本が、そして日本人が主体で地球の危機を救ってしまう。ハリウッド製の米優位性の娯楽映画に辟易する40年も前に、我々は本作を見て溜飲を下げていたのである。

しかし、それを笑う事は出来ない。現在の唯一無二の絶対的指導国家であるアメリカと、当時の前科者国家である日本ではその意味合いはまったく違う。日本は必死だった。消すに消せない烙印を必死で消そうとしていた。それ故の「奉仕」の姿だったのだが、民族のプライドが勇み足を起こさせる。

僕は高校生だった頃、修学旅行先で集団喫煙事件を起こし謹慎処分を受けた。その時の反省会での結論をまとめたレポートを出した時の教師や一般の生徒たちからの冷たい眼差しを忘れない。その内容とは、「喫煙は良くない事だ、今後は我々が中心となって一般生徒たちに注意を喚起し、校内を健全化させていきます。」

失笑を買った。

本作の公開当時のアジア諸国や戦勝国のメディアの本作に対する反応に興味がある。おそらく失笑モノだったろう。

そして現在、日本は国連の常任理事国という栄えあるポストを取る為の最後の外交に余念が無い。金だけではなく、兵隊も戦地へ送り出してきた。2004年末の時点、それは大詰めを迎えている。

我々日本人が戦後目指してきた「名誉回復」という最大の理念が今まさに大詰めである。SF映画でしかない本作で溜飲を下げた日本人の夢が近づいてきている。月ロケットも熱線砲も実現は出来なかったが、東京の国際会議で外国人たちが皆、日本語で喋くりまわる時代が近づいている(?)。

敗戦に打ちひしがれた日本人の「夢」がいっぱい詰め込まれた映画である。「夢」の原型が読み取れる映画である。失笑しながらでも構わないから、座して見る映画でもある。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)ジェリー[*] ロボトミー[*] アルシュ[*] おーい粗茶[*]

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